日々常々

ふつうのプログラマがあたりまえにしたいこと。

リモートワークが続きそうなのでスイッチを作ろう

君も同じことをしろとは言わないけど、僕はそれを勧めよう

槇原敬之の「彗星」より。

だいたい私を含む多くの経験則で生きてる人間の言うことには生存バイアスが掛かっているので、話半分に聞くのがいいと思います。 と言う発言も生存バイアスが掛かっているんですけれど……と言う考えにも確証バイアスが掛かっていたり……めんどくさい。

認知バイアスはちょっと前にsyobochimさんが認知バイアスを知って考えのズレを意識すると言う読みやすいブログを書かれています。ちなみに私がよく参照するのは認知バイアス一覧で社会心理学入門です。

あとリファクタリング・ウェットウェアにも認知バイアスのくだりはあります。おすすめの一冊。

リファクタリング・ウェットウェア ―達人プログラマーの思考法と学習法

リファクタリング・ウェットウェア ―達人プログラマーの思考法と学習法

  • 作者:Andy Hunt
  • 発売日: 2009/04/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

さて、タイトルの「スイッチ」ですが、他に「ルーティーン」と言ったりするものです。ここで予測が付く方は読まなくてOK。 この手のは研究もされていると思うし、たぶんちゃんと調べたらちゃんとした話が出てくると思う。知らないけど。

連続するものは前の状態に引きずられる

目覚めてすぐ仕事するのはなかなか難しいものです。眠気が取れていないかもしれない。目は覚めても体は起きていないかもしれない。睡眠中の体勢から起きる体勢に筋肉がついてこないかもしれない。寝汗や寝癖が不快。色々あります。ない人もいるかもしれないですが、多分稀、だと思いたいです。

これと同様に、人間は常に連続していて前の状態に引きずられます。行動を変えるためにはこの連続を断ち切る必要があります。連続を断ち切る手段として、人は時刻を創り出しています。連続して途切れない「時」を刻んだもの。非常に便利な道具です。

状態を切り替えるスイッチ

定時のある職場に出勤する場合、始業時刻に合わせて特定の行動をすることになります。 始業に間に合うように起きて、支度して、通勤して。様々な行動があります。きっとそのうちどれかが(もしかしたら全てが)スイッチになっていたりします。

別段、短期的には特にスイッチがなくても行動は変えられます。「今は緊急事態である」と思えているうちなら尚更でしょう。しかしながら長期となると、なかなか難しいものです。 夏休みの序盤はそれなりに活動できていたのに、中盤から終盤にかけてはだらだらと過ごしてしまっていたり。大学では1回生の頃はそれなりに単位を取れていたのに、3回生の頃になるとなぜか全滅していたり(遠い目)。

連続するものの状態を切り替えるにはスイッチがあると便利です。 長期になるのを見越して、または「案外リモートワークでもできるじゃん」と日常的になるのを見越して、スイッチを用意してもいいんじゃ無いかな。

習慣にできるスイッチを作ろう

特定の行動の後に同じようなことを考えるのが続けると、その特定の行動をするだけで思考に方向性を持たせることができます。できるんです、たぶん。 たぶんと言うのは、行動をやめてみたら落ち着かないとかそんなマイナスでしか観測しづらいから……。

ともかく、「始業時刻に合わせた通勤」はスイッチとして非常に優秀だと思うのです。定刻なので一定のリズムで繰り返され、強制力があり、一連の中に多くの行動があります。その中の一つでもスイッチになっていればいいので、多くの人にマッチしやすいのかなと思っていたりします。

と言うことで習慣にできるスイッチを作りましょう。負荷のかかる無理のあるスイッチは長続きしません。スイッチを押すのが大変だと、スイッチを押すと言う行動を起こすためのスイッチが必要になってきます。無限ループ怖い。

私の使っているスイッチ

私の場合、二種類のスイッチを意識しています。ちょっと気合入れてやるときに使うものと、日常的に使うもの。 さらにそれぞれに対して一つではなく複数用意しています。ルーティーンとしては同じものを使った方がいいと思うのですが、ほら、使う気分にならない時もあるし、飽きるし……。

瞬発的なスイッチは「掛け声」「ポモドーロタイマー」「特定の味のガムを噛む」など。 瞬間的に切り替えたいときに使うものなので、秒で終えられる行動を選んでいます。掛け声の内容は恥ずかしいので伏せます。 ポモドーロタイマーは日常的に使うものになのかもしれませんが、しばらく続けると脳が酸欠みたいな感じになってしばらく使い物にならなくなっちゃうので、多用は避けることにしました。

日常的なスイッチは「コーヒーを淹れる」「シャワーを浴びる」「ストレッチ」など。 少々時間がかかるものですが、準備体操みたいな位置付けですね。 少し前までは「散歩」を入れようと試したこともあるんですが、特定の散歩コースを歩くのは性格的に向かないらしく毎回違うところに歩いてしまい散歩の時間が一定にならなかった(30分から2時間……)のでやめました。あと散歩のための行動負荷が大きく、無理のあるスイッチに属していたと言うのもあります。

重要なのは、スイッチを押した後に必ずやりたい行動、この場合は仕事をすること。 他のことをしてしまうとスイッチがスイッチになってくれません。うっかりTwitterとか開いたらアウト……これで役に立たなくなったスイッチもいくつかあったり。

ということで

リモートワークで「なんか調子が出ない」などを感じている方はスイッチを作ってみるのもいいんじゃ無いかなーと思って書きました。