日々常々

ふつうのプログラマがあたりまえにしたいこと。

価格が4倍違うモニターアームを買ってみた

先月はじめてモニターアームを買ったのですが、気づいたら2つ目が増えてました。

お値段は先日買ったエルゴトロンLXの1/4程度です。製品名は何なんだろう?よくわからない……(わからないので本エントリ内では「こちら」と呼称します)

周辺機器は安いものを買うと安物買いの銭失いになりがちです。

とはいえ価格差の要因も興味あるところ。怖いもの見たさも手伝い「4,000円くらいならゴミでもまぁいいかな」とか失礼なことを考えながらポチりました。 あとエルゴトロンLXだと、追加したモニターより高いことになるのも躊躇いポイント。

ちなみに追加で買ったモニター。

さすがに21.5インチは小さかった……ここまで小さかったんですね。 常用しているのは31.5インチなので、面積では半分になります。縦にして2つ並べてようやくトントン……なるほど小さいわけだ。

MacBookProの13でもそんな小さいと感じないんだけれど、使う環境によるんでしょうね。 前述のモニターと並べてモニターアームで遠目に配置してるって言うのもあるんでしょう。 距離的には同じくらいのところに置いているのにMacBookPro16のモニターの方が大きく見える不思議。不思議。 まあ用途はサブモニター(主にslackを置いておく)なので十分です。 縦にしようとしたら横幅が微妙に足りないアプリがあったのでしばらく横で使います。

雑感

直近にエルゴトロンLXを買ったので比較になります。

外箱

とても小さく畳まれています。エルゴトロンLXがデカ過ぎたのでは。 これは畳める構造になっているってことで、良し悪しです。 あと箱の中の緩衝材の量にも差があって、エルゴトロンLXが精密機器扱いされてたことがなんとなくわかりました(つまりこちらは以下略)。

組み立て

それほど難しくはない……んですが、ちょっと癖があるのはどれもそうなんでしょう。 ちょいちょい「いいんかな?」と詰まりました。ネジがいっぱいついてるのも戸惑うポイント。

ヘッドの調整がエルゴトロンLXのように「モニターを付けてからやれ」方式じゃないので、こちらのほうが完成形がイメージしやすくはありましたが、ネジ2本にモニターの全重量が乗る組み立て方は不安がありました。下手に捩ったりしなきゃ大丈夫なんでしょうけれど。

使い勝手

こればっかりはエルゴトロンLXが圧勝ですね……何より高さ調整の範囲が全然違います。 と言うかエルゴトロンLXの場合どこに移動するにも手でぐいーっとすれば動くんですが、こちらの高さ調整には一度外す必要があります。 モニター付きのアームの根元を外すことになりますので、一から組み立てるのより大変。 三次元的な配置場所が決まっていれば特に問題はないのですが、ちょっと動かしたいって時に融通が効かないです。エルゴトロンLXと同時使用だからそう感じるんでしょうけれど。

あと、地味に影響あるのがモニターアームの主軸?となる、机から垂直に伸びる棒。 写真でもわかるんですが、エルゴトロンLXが15cm程度に対してこちらは30cmあります。上方に何かを配置する場合は干渉する可能性が上がります。 高さ調整をここで行うので長めな必要があるのはわかるんですが……。 私はスピーカーやMacBookProを開けた後のモニターが干渉することになり、設置場所の制約になりました。

あ、バネ式とガス式の違い?はよくわかりません! どちらもなんか継ぎ目のところに六角レンチ突っ込んでぐりぐり回したらそれっぽく調整できます。経年で変わるのかな?

まとめ

一つだけ買うならエルゴトロンLXが良いです。 いろいろ書きましたが、費用を踏まえても断然エルゴトロンLXをお勧めします。4倍差とはいえモニターアームを4つなんて買うわけでもない……ない……よね? 先日のアンケートでも5枚派は居なかったし。

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モニターアーム4つ(ノート+モニター4枚=5枚)必要な人はいないけれど、7つ必要な人は居る……?

31インチくらいならおそらく9kgを超えないのでこちらでもよいでしょうけれど、荷重いっぱいいっぱいで使うのは躊躇われます。 私が今回こちらを買ったのは、用途が先に挙げた軽めのモニターであり、さらに「最悪モニターごと落っこちて壊れても良いかな」くらいの割り切りがあったから。 メインのモニターでこちらを使うのはちょっと抵抗あるかな。

そもそもあまり動かさない、モニターもそんなに重くないなら十分な製品かと。 何より安いし、問題のある製品と言うわけではありません。 こちらだけを買っていたら満足して「モニターアームって良いなー」と言う感想を普通に持っていたでしょうね。

リモート時代のモブプログラミング(モブワーク)の参加メモ #モブLOVE

オンライン勉強会の試みも増えて良いところとイマイチなところが見えてきた昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか。私の所属するいくつかのコミュニティでも以前からオンライン勉強会どうかなーと話していたりしたんですが、このご時世で逆に下火になっています。なんでだろ、天邪鬼なのかな?(類友

さてさて掲題の「リモート時代のモブプログラミング(モブワーク)」に参加しました。

オンライン勉強会は参加っていうより眺めているだけな感じのものが多いのですが、チェックインやチャットの会話や拾われかたなど、比較的参加感のあるイベントだったと思います。 この辺りはさすが@TAKAKING22さんのイベントだなと思いました。従来からの取り組みに加えて4月以降、5回の多人数のオンラインイベントをされているのは凄まじい。

「モブプログラミングお悩み相談室」は飛び込んで良いって言われたので飛び込んでみました。もっと他の人も飛び込んでくれたら良いのになーって思ってましたが、難しいだろうなーとも。

本編で特に印象に残ったのは2点。言語化するなら「現代における8mの距離感」と「道具のシームレスにこだわる」です。こういう言葉が出たわけではなく私の感想ね。

現代における8mの距離感

何かの研究の引用なので探せば元ネタは見つかるはず。面倒なので探しません。 8mくらいの距離感にいるとコミュニケーションが取れ、それ以上離れると急激に取れなくなるというグラフが示されていた気がします。

研究では物理的距離ですが、オンラインを活用することで距離感が縮めることも可能なのだろうなと思いました。 あと距離感が縮まったあとなら物理的距離、論理的距離を多少話してもコミュニケーションは取り続けられるのかな、とも。

「8mの距離感」をパターン言語にできそうだなーとか。

道具のシームレスにこだわる

道具を組み合わせるとちょっとした手間がたくさんあります。 例えばモブプログラミングでドライバーが切り替わる時、gitでcommitしてpushしてzoomの共有する画面を切り替えて……とすれば実現できるでしょう。 この切り替えをなくせる限りなくす、文字通り「シームレス」に継ぎ目を無くしていくところに拘っているのように感じました。

切り替えの手間はモブプログラミングにとって必要なものではありません。ただのノイズです。 これをなくすことで前述の「距離感」を縮められるんだろうなって思いました。

脱線になりますが、制約について述べておきます。 制約は否定的無意味で使われることが多いですが、制約があることでうまくいくものもあります。 制約により選択肢が狭まることで、意思決定の速度が上がります。一つしか選べないなら迷うことはありません。 制約は仕事を阻害するものではなく、効率を良くするためにあるのが理想です。

「切り替えが必要」は明らかに効率を悪くする制約です。 これらを無くしてシームレスに、継ぎ目をなくし、磨き上げていっている。 TAKAKING22さんのチームはそういうことを行っている(意識的に取り組んだ結果か天然なのかは分かりませんが)、そんなチームだなと思いました。

まとめ

おもしろかった(まとめてない

やっぱモブな話の中では組織の話が出ることも多く、チャットの中でも組織パターンに触れたりしました。出たのは確か「賢い愚者」。他もあったかも。

組織パターン

組織パターン

「良い椅子を買え」と私の選択

テスト駆動開発入門に「安い机に良い椅子」と言うパターンがあるので引用します。

背中が痛ければ、良いコードは書けない。だが、えてして組織というものは、チームに10万ドルかけても椅子には1万ドルもかけないものだ。私は安い折りたたみ机にコンピュータを置いているが、椅子は調べた限りで最高の椅子を使っている。

テスト駆動開発

テスト駆動開発

  • 作者:Kent Beck
  • 発売日: 2017/10/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

「良い椅子を買え」はTwitterでも最近のリモートワークの文脈でよく目にするようになりました。まあ「オフィスはいい椅子使っているから……」と言うのもセットなことも多いので、先に挙げた話はこの十数年で改善された組織も少なくないんだろうとは思います。リモートワークを緊急事態で実現できる程度の会社って前提があるので必然かもしれませんが。

私自身、数年前まで現場常駐の仕事が多く、もちろん現場で用意された椅子に座っていました。多重請負の下っ端なのでオフィス用品に口出しはできるわけもなく、当然のように多くの現場ではステレオタイプな事務机と椅子。ひどいところではパイプ椅子なこともありました。とは言え「良い椅子」を用意してくれた会社もあったので、椅子の違いの効果はそれなりにわかっているつもりです。

ですが、私の開発環境、椅子そのものはたいして良いものは使っていません。たしかヨドバシカメラかどっかで買った、5,000円程度のもの。先に使っていた「良い椅子」と比べると、費用は1/10-40くらいになるでしょうか(幅広すぎ)。でもまーこれで良いかなって感じで10年くらい使ってたりします。思い返せば安物の割に壊れたりしないの凄い。とは言えそれだけで使っているわけでもなく。

例えばこういうのを椅子の上に置いたり。

他にこういうクッションを置いたり(夏とかは涼しくて良いです。これからの季節おすすめ。)。

あとは普通のクッションとかドーナツクッションとか。気分で使い分けています。

良い椅子なら単品で完結するのかもしれませんが、個人的にはこれがあっています。 というのも、私は油断するとサブマリンスタイルになっちゃうんですよね……

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元ネタのツイート

いくら良い椅子を使ってもサブマリンスタイルになると意味はなく。多分腰にも悪い。何より目に悪い。見上げるのでドライアイになる。 Style Athleteはプラスチックで固定されているので、そもそもサブマリンになりようがない。あと姿勢も良くなる気がします。気がするだけなので、未使用時の姿勢が全然良くならないのはお察しですが。

ということで、個人的にはそこまで高価な椅子にこだわる必要はないんじゃないかなって。

高価な椅子はもちろん良いものです。ですけどそれだけが「良い椅子」ではないです。

最初に引用したケントベックの「安い折りたたみ机」は、安いことが重要なのではありません。 机には広さが必要であり、安い机は増やしやすいのでスペースが広げやすいということです。言及されていませんが、移動しやすさや畳めることも重要なのかもしれません。 「良い机」は広くかつ広げやすいこと。そのために安い必要があるんだと思っています。決して「机をケチれ」という意味ではない。はず。

一方、パイプ椅子は流石に酷すぎるし、そこそこの椅子もあまり背中を痛めないという意味ではよろしいとは言えない。 「背中を痛めない」(個人的には背中より腰が気になりますが)を満たすことが「良い」であれば、選択肢は「高価」だけではないと思っています。

ということで、私は椅子に関してはそこそこのものを組み合わせることにしています。来年くらいに言うこと変わっているかもしれないけれど、参考になれば。