日々常々

ふつうのプログラマがあたりまえにしたいこと。

入門書

いざ何かを始めようという時には、入門書を読む所から始める人も多いと思います。まったく何の知識もないまま実践しようとしても無理なので、こういった本の存在は非常に心強いものです。しかし、書店の本棚にたどり着くと、山ほどある入門書と呼ばれるものの前に途方に暮れる事もよくある話です。

既に入門書と呼ばれるものがあるにも拘らず、新たな入門書と呼ばれるものが毎年出てくるのが現実です。確かに技術は日進月歩であり、1年前に正しかったことも、古く、効率の悪い、ややもすれば誤ったことになってしまうこともあります。それにしても入門書と呼ばれるものの数は尋常ではありません。

なぜ新たな入門書と呼ばれるものが生み出されるのか。簡単な話で、既存の入門書と呼ばれるものを読んだ人が、「自分ならもっと判り易く書ける」と考え、新たな本を作成するからでしょう。たいていは車輪の再発明であり、殆どが劣化しています。判りやすい説明ではなく、聞こえの良い説明に終始し、わかった気にさせるのが関の山で、実際に身につかないものが、入門書と呼ばれるものの大半です。しかし、初心者にとってわかった気になる事は凄くインパクトがあり、そういう本が得てして良い評価を受けてしまう傾向もあります。

悪貨が良貨を駆逐する。沢山の入門書と呼ばれる、意味のない、時に誤った内容の著者の理解を蔓延させる本が溢れる中で、本当の入門書を見つけ出すことは至難の業です。特に、何の知識もなく、本当に入門書を欲する人にはまず選べないのが現状です。そして誤った認識が広がり、正しい使われ方をしないまま廃れていく技術も多いのでしょうね。