日々常々

ふつうのプログラマがあたりまえにしたいこと。

Javaのいまを知る「みんなのJava」を読みました #minjava

本日 2020-03-13 発売です!

著者の一人である @jyukutyo さんから献本いただきました。ありがとうございます。

読むなら今、と言う本。賞味期限は半年くらいかな。 過ぎてもJava史のチェックポイントには使えると思いますが、「大変革期」の今だからこそ自身の技術的審美眼を鍛えるのに役立てられるんじゃないかな、と思いました。

Javaのいまを知る一冊

2020年3月(実際書いているのはもう少し前になるんでしょうが)の「いま」にフォーカスした本だと感じました。 「大変革期」と題されている通り激動していますが、著者の方々それぞれが現状を真摯に見据え自身の見通しを書かれています。この方々だから書けたものだなと。

Mustang(暴れ馬)とつけられたJava SE 6なんて可愛いJava9以降ですが、リリースサイクルは掲げられた通り半年が実現され、LTSであるJava11もリリース。バイナリの配布は様々なところが名乗りを上げつつもそれなりに形が見えてきた今日この頃に出された本書は、Javaの今後を追う上でも一つのチェックポイントにできると思いました。 書かれていることの個々の情報は少し手を伸ばせば得られるものであり、著者の方々自身が記事やセッションで語られていたものも結構あります。それらが一冊にまとめられていることに価値があります。 私も大いに復習させて貰いました。見落としてた知らなかったことも結構ありました……ありがたい。

本書は「今すぐ現場で使える最新技術」が書かれたものではありません。 もちろん使えるものも書かれてはいますが、それよりも「Javaのいま」の状況にフォーカスしています。 経緯や選択肢、今後の見通しを読み、自身の判断に役立てる、そんな位置づけになるのではないでしょうか。 そんなわけで表紙に書かれている「現場で役立つ必須の知識、満載」ですが、これは若干疑問。役立てられる現場とかポジションは限定的じゃないかなと。

あ、この一冊を把握していれば現場で「Javaの最新情報に詳しい人」なブランディングができるかもしれません。 そう言う強みを持ちたい人は試してみてもいいんじゃないでしょうか。 一回そう言うイメージがつくと技術的な相談が舞い込んでくるようになったりするかもしれませんし。知らんけど。

どうでもいいけれど、本書を読みながら「このあたり執筆中のセッションがあれなのかなー」とか想像するのは楽しかったです。見出しとかまんまなので。

誰向きの本なの?

以下のような方に向いていると思います。

  • Javaの激動に振り回されず手綱を握りたい
  • Javaの採用を決定する権限があり、状況から技術的な判断を下す責務を負っている

以下のような方には不要です。

  • これまでのJavaの各バージョンでの変化は知らないし特に興味がない
  • すぐに現場のコーディングで使える知識が欲しい

使用しているバージョンに応じた安定した知識を身に付けるのが良いと思います。同日発売のこの辺りが良いのではないでしょうか。読んでいませんが、訳者が柴田さんなので安心して買えるかなと。