日々常々

ふつうのプログラマがあたりまえにしたいこと。

リモートワークを劣化で終わらせたくない

年明けからリモートワークの流れが進み、緊急事態宣言解除を受けて揺り戻しが起こっている頃かなと思います。

なお、本稿に結論はありません。なんとなく思っていることを、なんとなくのまま書いてますのでご注意ください。いつも通りといえばいつも通りなんだけど、いつも以上にそんな感じ。

オンラインツールやリモートワークをオフラインの劣化かのようなのには反発したいんだけど、うまく挙げられなくて悶々としてる。何か見つけていいとこ取りしたい気持ちがずっとあります。

https://twitter.com/irof/status/1266001682011320320

さて、掲題の「劣化」ですが、

  • リモートでもXXX(オフラインでやっている何か)を再現できる

に違和感を持っています。このような言葉は最近出てきたものではなく、数年前から「再現できるからリモートワークできる」みたいな表現で使われている印象があります。一見はポジティブな言葉ですが「再現できる」なんですよね。

これは開発者なら常々直面していることの相似形に思います。 業務のシステム化でも既存システムのリプレースでもよくある話で、現行の再現が目的になりかねないところが、私の感じている違和感なんだなと。

再現が目的になると、再現率みたいなものがぼんやり見え、劣化コピーに妥協する可能性を孕んでいるように感じています。 また、再現性が低い枝葉に注力するようになったりして、無駄なことにコストをかけるようになるのではないかと。実際かけている例も見受けられます。 再現するのは目標にしてもいいかもですが、目的ではないですよね。再現できなくても仕事ができたらいいはず。先に挙げた「業務のシステム化」や「既存システムのリプレース」でよく見る履き違いで、枝葉末節や不具合の再現までやろうとする、非効率街道まっしぐらパターン。

閑話休題。このニアワーク(リモートの対として、本稿ではこう呼ぶことにします)の再現を図にするとこんな感じ。 f:id:irof:20200601145303j:plain

リモートワークとニアワークがあって、それぞれ得意部分があり、どちらでも変わらない部分があり。再現が目指すのはリモートワークによる侵食かなと。とはいえ破線部分は広げられたとしても、そもそもがリモートワークの苦手部分でありニアワークの得意部分。そこで勝負してもなぁ、と言う感覚的なものです。リモートワークせざるを得ないと言う情勢では妥当なんでしょうけれど、リモートワークは劣化ではないと思っているので。

そもそも、リモートワークとニアワークは別物です。オフィスについてふんわり考えてこんなこと呟いてまして。

仕事のためのオフィスが仕事の効率がよいのは然るべきで、仕事の効率が家に劣るオフィスは存在意義を見つめ直すのがよかろうね。

https://twitter.com/irof/status/1263618006304780288

オフィスはニアワークでの仕事効率を最大化するための仕掛けであり、仕事の足を引っ張るようなオフィスは淘汰されてしかるべきなんじゃないかなと。例えば「オフィスのインフラでセキュリティを担保している」などがありますが、足を引っ張るんじゃなく、個々で対応するよりも効率的で仕事に注力できる環境がオフィスである……とかであって欲しいなーと思っています。 オフィスは「8mの距離感]」を得やすいものであってほしくて、リモートオフィスなんてのができるとしたら、そこを目指してくれたら嬉しいかな。 オフィスで隣の席に座ってても「8mの距離感」に居ないように感じるのも、思い返せばよくあった気がする。

リモートワークとニアワークで重複する部分もありますが、リモートワークならではの強みがあると思っています。移動が不要とかそう言うのではなく、仕事中そのものを取り出しても、リモートワークの方が向いているものってのがあるんじゃないかと。具体的にコレってのは見つけられていませんが、あると信じています。根拠などない。

先の図に仕事の範囲を被せるとこんな感じかなとか思っています。 f:id:irof:20200601150713j:plain

集合の図としたら四角で全体あらわしてニアワークの面積を大きくする方が妥当なんだろうけど、仕事の範囲が動くってのを表したかった感。得意部分でも今の仕事に要らないものもあるよね、とか。

ニアワークだけで仕事している場合は苦手範囲もニアワークでやっているわけですが、仕事の性質を見れば多分分類できるんじゃないかなと。そしてリモートワークの得意部分はリモートワークで、どちらも得意なものは好きな方を選択すればよく、どちらも苦手な部分も多分どちらでもいいんだと思います。得意な道具があるものは得意な道具を使って仕事したい。

TAKAKING22さんのリモートワークにおけるモブプログラミングのコツkyon_mmさんのテレワークじゃなくてもスクラムイベントではZoomをつかう を聞いて、リモートワークの需要拡大でツールや使用側の練度が鍛えられれば、それを常時使うメリットが見出されやすくなったりするんじゃないかな、なんて思ったりしてます。

以上、未来にこのエントリを読んで「あー」って自分が言うために書きました。

こんなこと書いてますが、仕事は可能な限り現地行く派です。リモートが多いけど、可能な限りは。